残夏

 蝉が忙し鳴きしきる中僕は佇み、命を燃やす詩を聴いていた。思い出の中の君を思いながら。もし、あの時君を許せたなら結果は違ったのだろうか。だけど、それは僕が僕でなくなる事を意味している様に思う。それは死んでいる事と同意に思えていた。それに、何もなかった様に過ごせただろうか。きっと過ごせてなかった様に思う。僕という名の監獄に君を閉じ込めていた事だろう。故にあれで良かったんだと僕は思う。僕が僕であるために……。

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